文献詳細
特集 末梢血管障害の非侵襲的検査法
文献概要
はじめに
生体の血管系を形態学的に把えるには血管造影に勝る検査法はない.このことは末梢血管障害においても同じである.しかしながら一部静脈系を除き,末梢血管の造影は動脈造影によらねばならず,動脈への穿刺,造影剤注入が不可欠である.このことは患者への侵襲と危険を伴い,また術者の手技を要求する.血管性病変が存在する際はさらに危険度が増し,手技もより高度となる.
経静脈的造影剤の投与は手技,侵襲性の点で遙かに容易に臨床応用ができ,危険性はもつぱらヨード造影剤そのものによる.経静脈的に動脈造影をする試みは1939年のRobb & Steinberg1)以来なされてきたが,造影剤の稀釈に妨げられ,肺動脈,大動脈,頸動脈2)の一部を除き,確たる成果はあげ得なかつた.
生体の血管系を形態学的に把えるには血管造影に勝る検査法はない.このことは末梢血管障害においても同じである.しかしながら一部静脈系を除き,末梢血管の造影は動脈造影によらねばならず,動脈への穿刺,造影剤注入が不可欠である.このことは患者への侵襲と危険を伴い,また術者の手技を要求する.血管性病変が存在する際はさらに危険度が増し,手技もより高度となる.
経静脈的造影剤の投与は手技,侵襲性の点で遙かに容易に臨床応用ができ,危険性はもつぱらヨード造影剤そのものによる.経静脈的に動脈造影をする試みは1939年のRobb & Steinberg1)以来なされてきたが,造影剤の稀釈に妨げられ,肺動脈,大動脈,頸動脈2)の一部を除き,確たる成果はあげ得なかつた.
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