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特集 膵・胆管合流異常の外科
膵・胆管合流異常と膵疾患
著者: 有馬栄徳1 小島洋一郎1 田原博幸1
所属機関: 1鹿児島大学医学部附属病院小児外科
ページ範囲:P.1809 - P.1813
文献購入ページに移動胆と膵の相関についてはOpieの共通管説1)以来種々の学説が唱えられ,胆石膵炎については著者らが所属した鹿大第2外科でも,秋田2),香月3)らにより種々の検討がなされてきた.一方,木積ら4),Babbittら5)は膵・胆管合流異常を先天性胆道拡張症の主病因と考え,Babbittは膵液の胆管内逆流が胆道拡張の主因であると推測した.最近になつて本合流異常患者の多くに間歇性膵炎様発作が頻発していることが指摘されるようになつた6-8).著者らはこの膵炎様発作をマルセイユ分類の急性膵炎または反復性急性膵炎に属するものと考えている.最近,小児の急性壊死性膵炎に膵・胆管合流異常が証明された症例も報告されている.その病態についてはなお完全に解明されているとは言えないが,本合流異常の胆道拡張型では種々の程度の膵障害と思われる症候が90%前後の症例にみられている事実から,膵・胆管合流異常の外科治療にあたつては合併する膵障害あるいはその可能性を常に念頭におく必要があると思われる.
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