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臨床報告
内視鏡による複雑な食道損傷の2治験例
著者: 栗谷義樹1 二宮健次1 鈴木知信1 小関和士1 平山克1 蔵本純一1 西平哲郎1 葛西森夫1
所属機関: 1東北大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1867 - P.1871
文献購入ページに移動消化管内視鏡検査は近年器械の改良と手技の向上が得られ,診断のみならず種々の治療の目的で使用されている.従つて内視鏡使用頻度も飛躍的に増大しており,現在では安全な確立された検査法といえるがこれに伴う偶発症も低頻度とはいえ皆無ではない.著者らは最近頸部食道狭窄の患者に対し行われた硬性内視鏡検査,および胃ファイバースコープ検査に伴う食道損傷を2例経験し,手術的処置で完治せしめることができた.1例は発症直後であつたが狭窄部分の悪性変化が否定できないため狭窄部分を含めた胸腔内食道抜去を行い胃管で再建を行つたところ,偶然下部食道にcarcinoma in situが存在し,1例は発症後4日経過しており縦隔膿瘍を形成していたのでドレナージ手術を行つた.この2例に対し診断,治療面より考察を加えた.
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