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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻2号

1982年02月発行

文献概要

特集 食道静脈瘤手術 食道離断術における吻合法の問題点

器械吻合と手縫い吻合

著者: 出月康夫1 萩原優1 河野彰文1 守屋仁布1 渡辺弘1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学第1外科

ページ範囲:P.215 - P.222

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はじめに
 食道静脈瘤直達手術は門脈圧減圧手術に代わる有効な術式として,1964年以来わが国で検討が進められてきた1).とくに食道離断術(経胸的または経腹的)は広く普及しており,食道静脈瘤出血に対する標準術式としている施設が多い.この手術の要点は,広汎な血行遮断と食道離断を確実に行うことであるが2),この手術における食道吻合ではとくに①広汎な血行遮断による吻合部局所の循環不全が存在すること,②なるべく吻合部上下の粘膜下血管再疎通による静脈瘤の再発が起こりにくい離断,吻合法であることなどの点で,通常の消化管吻合とは異なる特殊性がある.したがつて吻合法にはとくに慎重な配慮が必要であろう.
 最近わが国でも消化管の自動吻合器が普及し,食道離断術にもこれが使われている3,4).この器械吻合には,①離断と吻合が同時に行われるため簡便である,②吻合部局所の消化管が開放されないため,離断,吻合部の汚染が少ない,③食道鉗子で狭む必要がないため組織損傷や血流障害のおそれがない,④画一的で均等な吻合が可能である,⑤迅速である,などの特色がある.これらの器械吻合の特色は食道離断術における吻合法としても有用なものと考えられる.そこでわれわれは,この器械吻合を食道離断術に利用する場合の安全性と妥当性を検討するために,従来の手縫い法と器械吻合の両者を実施して比較検討しているので,これについて紹介してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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