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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻3号

1982年03月発行

文献概要

特集 人工呼吸管理のPit fall

Fightingに対する処置法

著者: 瀬戸屋健三1

所属機関: 1東京厚生年金病院麻酔科

ページ範囲:P.355 - P.359

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Fightingとは何か
 人工呼吸中の厄介な合併症に器械に対するFighting(戦い)というものがある事は誰でも知つているが,さてFightingとは何かという明解な定義は成書に記されていない.Shapiro, B. A.1)らのRespiratory Careの本によれば"out of phase with ventililator"の場合に患者は人工呼吸器(Ventilator)に対してFightしているという.これに反して器械の休止期すなわち呼気が終了したあと次の呼気加圧が始まるまでの間に患者が自発吸気運動を起こすのは"breathing around ventilator"と称して,前のout of phaseにくらべればずつと心配のいらない事であると区別している.
 昔の人工呼吸器ではEngström ventilatorなどのようにtime cycledの調節呼吸専用器械があり,患者の換気需要が亢進してきた場合に設定時間以外に自然吸気が開始されても,補助呼吸が出来ないタイプであつたから,安全性のために自発吸気で回路の内側に開く弁が組込んであり,室内空気を自由に吸える機構が必須であつた.これらがbreathing around ventilatorであつて吸気酸素濃度や湿度の低下があるものの気道内圧(回路内圧)の急上昇もなく,ほとんど心配のないものであつた.この機構を発展して行けば最近のIMVも自然吸気呼気は自由にさせるという点に類似性が感じられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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