文献詳細
特集 人工呼吸管理のPit fall
文献概要
はじめに
呼吸生理学や,呼吸管理に関心を抱かれても,この分野の,特殊にみえる用語や略号の洪水の中で,いつのまにか立往生してしまう方もおられるようである.決してとくに難解でもなく,まして,呼吸管理は,血管確保や輸液管理などと同じレベルで,クリティカルな病態をとりあつかう可能性のあるすべての医師が身につけていてよい基本的な技術の一つであるとすれば,これはもつたいないことといわざるを得ない.
そこで,本稿では,著者らが,呼吸不全患者のそばに立つたとき,その病態をどのように整理してみようとしているかを例として,血液ガス異常の成因と呼吸管理の基本原理の理解に必要な,最少限度の略号を用いた解説をまず試みたい.読後,かえつて迷つてしまつたと仰言られることをおそれるが,それでも,実際に呼吸不全患者の治療をしながら,略号の組み合せが物語つている概念の世界と眼前の病態との対応に少しでも心を配つて頂ける一助となれば望外の幸せである.そのあと,紙面のゆるす範囲で,主として人工呼吸管理の中で使われる若干の用語についても触れることとする.
呼吸生理学や,呼吸管理に関心を抱かれても,この分野の,特殊にみえる用語や略号の洪水の中で,いつのまにか立往生してしまう方もおられるようである.決してとくに難解でもなく,まして,呼吸管理は,血管確保や輸液管理などと同じレベルで,クリティカルな病態をとりあつかう可能性のあるすべての医師が身につけていてよい基本的な技術の一つであるとすれば,これはもつたいないことといわざるを得ない.
そこで,本稿では,著者らが,呼吸不全患者のそばに立つたとき,その病態をどのように整理してみようとしているかを例として,血液ガス異常の成因と呼吸管理の基本原理の理解に必要な,最少限度の略号を用いた解説をまず試みたい.読後,かえつて迷つてしまつたと仰言られることをおそれるが,それでも,実際に呼吸不全患者の治療をしながら,略号の組み合せが物語つている概念の世界と眼前の病態との対応に少しでも心を配つて頂ける一助となれば望外の幸せである.そのあと,紙面のゆるす範囲で,主として人工呼吸管理の中で使われる若干の用語についても触れることとする.
掲載誌情報