文献詳細
特集 レーザーと外科
レーザーの内視鏡への応用—適応と限界 YAGレーザーによる治療
呼吸器
著者: 雨宮隆太1 於保健吉1 山田隆一1 大谷高義1 平良修1 早川和志1 和田哲明1 新妻雅行1 滝沢延彦1 田原真1 小川一平1 早田義博1
所属機関: 1東京医科大学外科
ページ範囲:P.499 - P.504
文献概要
気管・気管支に腫瘍や肉芽組織が増生するに伴い,気道狭窄による呼吸困難が起こつてくる.このような症例に対し,教室では1980年3月より気管支ファイバースコープ下にYAGレーザー光を照射するEndoscopic YAG laser surgeryを行つてきた.本法は開胸手術に代わり,あるいは開胸手術前の治療法として気道内病変を除去し,気道の拡大と換気障害の解消を得ることが出来る.本法は新しい治療法であるため,未だ全国に普及せず,少数の施設で行われているにすぎない.しかし,交通機関の発達した現在,本法の適応となる患者は全国からYAGレーザー治療を行つている施設に転送され,死の恐怖から蘇つている.本文では,著者らが経験した症例の気道のEndo—scopic YAG laser surgeryに基づいてその治療適応と限界について検討した.諸氏の気道内病変治療の参考になれば幸いである.
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