文献詳細
臨床報告
Embolizationおよび肝動脈結紮にて治癒せしめえた肝破裂の1例
著者: 須藤峻章1 白羽誠1 石山堅司1 竹本雅彦1 浅川隆1 河村正生1 梅村博也1 久山健1 田村健治2
所属機関: 1近畿大学医学部第2外科 2近畿大学医学部放射線科
ページ範囲:P.583 - P.586
文献概要
肝破裂の治療としては,ドレナージ手術1),肝縫合法2),resectional debridement3),肝切除術4-6),肝動脈結紮7,8)など手術療法がおもにおこなわれているが,肝破裂では,大量の出血を伴い,肝機能は障害されており,とくに肝右葉を切除することは多大な危険性を伴うものである.
私達は,最近某病院にて肝摘後肝右葉に被膜下破裂を来し,ドレナージ手術を施行したが出血がとまらず,本院に緊急入院し,angiographic embolizationにて出血のコントロールを行い,次いで肝動脈結紮にて治療せしめえた1例を経験した.肝破裂にembolizationを施行したのは本邦第1例目であると考えられるので若干の文献的考察を加えて報告する.
掲載誌情報