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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻5号

1982年05月発行

特集 外科外来マニュアル

私の治療 各論—頭頸部

唾液腺の炎症・唾石

著者: 鳥山稔1

所属機関: 1国立病院医療センター耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.638 - P.638

文献概要

□概説
 唾液腺のうちで最も炎症をおこしやすいのは耳下腺で,唾石は顎下腺,舌下腺管に多く,耳下腺がこれにつぐ.耳下腺炎には,主として小児をおかす流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はウイルス感染で,春秋に多発し一度罹患すると免疫を獲得する.衰弱した小児,老人などには急性化膿性耳下腺炎がおきる.前者では腫脹が急激におこり局所では境界は鮮明で,疼痛,発赤,熱感は軽度であるのに,後者では疼痛,発赤,熱感も強く,牙関緊急もおこる.急性舌下腺炎,顎下腺炎は,潰瘍性口内炎,唾石,口腔底蜂窩織炎などに合併し,とくに舌下腺におきることが多い.唾石は唾液腺輪出管内の小異物,細菌が核になつて,ここに炭酸,燐酸カルシウムなど石灰が沈着して,顎下腺に一番多く,耳下腺がこれにつぎ,舌下腺が一番すくない.摂食事に痛みと顎三角部の腫脹がおこる.触診で口腔内に唾石を触れることも,X線写真でも発見できる.急性炎症をおこし排泄管開口部より膿を出す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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