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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻5号

1982年05月発行

文献概要

特集 外科外来マニュアル 私の治療 胸部

帯状疱疹

著者: 伊藤通成1

所属機関: 1国立療養所中野病院外科

ページ範囲:P.718 - P.719

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□診断上の注意
 後医は名医なりと言われるが,癌,突発性発疹,Varicella-zoster virus(VZV)による帯状疱疹(Herpes zoster,HZ)など,初診時には決め手となる所見がないかあるいはそれを見落としていた疾患が後から正体を現わして思わぬ恥をかくことがある.
 HZは疼痛,知覚異常,掻痒,発疹が相前後して認められるが,数日激しい疼痛だけが続き,発疹がない時期に患者が来院した場合は,鑑別診断に苦慮する所である.顔面,頭部では,片頭痛,メニエール氏病,緑内障,胸部では,自然気胸,狭心症,心筋梗塞,肋間神経痛,腰腹部では,胆石症,尿路結石症,急性虫垂炎などの急性腹症,ギックリ腰などあらゆる可能性を考えて診療に当る必要がある.HZでは主として知覚神経が侵されるが稀には運動神経も障害され,当該筋の麻痺を生ずる.患者や家族にはHZの発病型式を説明しておくのも一法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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