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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻5号

1982年05月発行

特集 外科外来マニュアル

私の治療 一般

脱疽

著者: 和田寛治1

所属機関: 1長岡赤十字病院外科

ページ範囲:P.774 - P.775

文献概要

□概説
 壊疽ともいい,壊死の一種であり,正確には局所死に陥つた組織が,外界と接触するとき,血色素の変性により,褐色から黒色に陥つた状態をいう.乾性,湿性に分類出来るが,混り交つたものも多い.また,壊死が脱落したもの,あるいは壊死が腐敗性変化を合併したものを壊疽と呼ぶ場合もある.
 脱疽は,一般的に以前より特発性脱疽なる語で常用されているが,表1の分類からするとそれは慢性動脈血行障害の中の閉塞性血栓性血管炎に相当する(Thromboangitis obliterans).その本態は,末梢動脈閉塞による重篤な組織阻血症状である.欧米では閉塞性動脈硬化症(Arterioscle—rosis obliterans)と同一視するむきもあるが,発生年齢が比較的若年で喫煙との密接な因果関係,上肢にも出現することから,分けて考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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