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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 胆石症をめぐる最近の話題 診断のアプローチ

胆道造影:経口法,静脈法の適応と意義

著者: 朝倉均1 森下鉄夫1 土屋雅春1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部内科

ページ範囲:P.1033 - P.1042

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はじめに
 近年,肝・胆道・膵疾患における診断法として,腹部コンピューター断層法(CT)や腹部超音波検査法(US)が急速に普及しつつある1-3).CTやUSは非侵襲性検査手技であり,患者に苦痛を与えず,黄疸の有無に左右されず目的臓器を描出し得る.CTは各臓器相互の関連に威力を発揮し,USはとくに妊婦や造影剤アレルギーを持つ者にも適用できる.しかしCTやUSの診断は術者の手技の巧拙や熱心さに左右され,とくにUSでは消化管ガスや肥満体における脂肪組織が映像を不良にするなどの短所も散見される.
 一方,胆石症は胆石の診断即外科的手術という図式から,ようやく胆石溶解剤の使用が少しづつながら可能となり,胆石症に対する治療は大きく変化しつつある4).溶解剤の使用に際しては,結石がコレステロール系であり,直径2cm以下であること,結石の数と位置とくに胆のう管との関係,溶解剤が肝から十分に排泄されるか否かなどの判定が重要である.この点,いわゆる胆道造影はCTやUSに比し,多くの情報を与えてくれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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