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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 胆石症をめぐる最近の話題 診断のアプローチ

術中胆道造影と術中胆道鏡

著者: 山川達郎1 三芳端1

所属機関: 1帝京大学医学部附属溝口病院外科

ページ範囲:P.1053 - P.1058

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はじめに
 胆石症手術において,胆道の病態を精査する術中の外科的操作は必要不可欠なものとして応用されてきているが,その中で殊に術中胆道造影はすでにルチン化され,重要な術中操作の1つになつている.またさらに近年,胆道鏡の普及があり,遺残結石症や肝内結石症に対する認識ならびに治療手段の向上には著しいものがある.
 しかしながら,胆石症手術における遺残結石の頻度は決して低いものではなく,"unsuspected"な遺残結石例はまだまだ散見される現状にあり,事実,胆道鏡による術後の非観血的結石摘出を行つているわれわれの施設では,肝内結石症だけでなく,単純な総胆管結石症の術後結石遺残例の紹介が依然として少なくはない.両検査法の共通の目的は,このような遺残結石をいかに予防し,かつ胆道系の病態を正確に把握するかにあるわけであるが,ここに両者の有用性についての比較が論点としてもちあがつてくるのも頷けるところである.本稿でも術中診断のアプローチとしての両者の適応と選択に関し主題が与えられた.しかしながら術中胆道造影法および術中胆道鏡検査法にはそれぞれ利点も欠点もあるわけであるので,どのような検査法の使い分けが可能か,あるいはすべての胆管切開施行例に併用すべきなのか,またある場合には胆道造影だけでも十分であり得るのか,などについてわれわれの考え方を整理してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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