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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 胆石症をめぐる最近の話題

胆石溶解剤のその後

著者: 桐生恭好1 神谷知至1

所属機関: 1日本鋼管病院内科

ページ範囲:P.1059 - P.1064

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はじめに
 胆石症の治療は,これまで主に外科的手術によつて行われてきた.しかし以前から一部で民間療法として胆石が溶けると称する内服薬が売られ,手術をきらう患者が買い求め服用していることを聞いたことがある.その効果については正確な報告がないため不明な点が多い.胆石症は女性が多いこと,症状のないsilent stoneも多いこともあり,手術をきらう患者も多く,胆石の溶解剤の出現は待望されていた.
 1972年,Danzinger1)らがchenodeoxycholic acid(以下,CDCA)の投与によりコレステロール系胆のう胆石が消失した症例を報告した.以後多くの研究者によりその有効性が確認された.また,CDCAの7β-OH異性体であるursodeoxycholic acid(以下,UDCA)にも同様の作用があることが報告され,以後多くの報告がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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