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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 胆石症をめぐる最近の話題 サイレントストーンをどうするか

内科から

著者: 中野哲1 武田功1

所属機関: 1大垣市民病院第2内科

ページ範囲:P.1081 - P.1085

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はじめに
 胆石症は日常よく遭遇する疾患である.一般に胆石の存在する部位によつて胆のう胆石,胆管胆石,肝内胆石(結石)に分類され,その臨床症状はこれらの胆石の部位により,あるいは感染症等の合併の有無により,腹痛の部位,程度や発熱,黄疸の頻度も異なつている.一般に胆石症の場合,胆石仙痛,黄疸,発熱などを伴い易く,右季肋部痛や不定の腹部症状を訴えることも多い.しかし,なかには症状を示さない無症状胆石があり,潜在性胆石,あるいはsilent stoneといわれるものがある.このsilent stoneは上部消化管透視の際か,あるいはその他の機会に偶然に発見されることが多い.
 胆石症は組成により,コレステロール系石とビリルビン系石に2大別される.コレステロール系石は主に胆のうで形成されるが胆のう内に留まつているうちはほとんど症状をおこさない.しかしこれが胆のう頸部や胆のう管に嵌頓したり,通過する際に,激痛発作を呈してくる.一方,ビリルビン系石は主に胆管で形成され,その症状は多彩であり無症状で経過することはほとんどない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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