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特集 今日の人工肛門
人工肛門—最近の管理
著者: 穴沢貞夫1 石田秀世1 東郷実元1 高橋日出雄1 桜井健司1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学第1外科
ページ範囲:P.1197 - P.1203
文献購入ページに移動1978年に本誌において「人工肛門とAfter Care」と題する特集1)が掲載されたが,今この特集を読みかえすと今さらながら当時のわが国におけるstoma rehabilitationの遅れと,それ以後遅々とではあるがこの分野の進歩が感じられる.人工肛門装具研究委員会やStoma Rehabilitation講習会の発足はわが国においてstoma rehabili—tationの必要性を喚起する引き金になつたが,現在においてもstoma rehabilitationに対する理解が全国的に十分ゆきわたつている状態とは云い難い.
このstoma rehabilitationにあつては医師と看護婦が互いに分かちあわなければならない役割分担を明確にすることが必要であり,事実stoma rehabilitationの先進国である米国においては,看護職の中にEnterostomal Therapistという専門職を導入することによりstoma rehabilitationを大いに発展させてきた2).しかしながら現在のわが国においてはstoma rehabilitationの中で本質的にnursingの中に包含されるべき部分を一挙に看護職に委ねる状況には至つてなく,それがゆえに日常の臨床の場では外科医はstoma careの理解と基礎知識が要求される.
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