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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻8号

1982年08月発行

文献概要

特集 今日の人工肛門

人工肛門—合併症とその対策

著者: 田村泰三1

所属機関: 1広島大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1205 - P.1210

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はじめに
 人工肛門の合併症には直ちに手術的処置を必要とするような重篤なものから,装具の適切な選択によつて解決できるような軽度のものまで種々のものがあげられる.最近では一次的に開放される人工肛門が一般的になるなど手技の進歩によつて重篤な合併症は減少しているが1,2),術後管理に対する関心が高まつて今までは余り注目されなかつたような合併症にも注意が向けられ,それらに対する対策が必要になつてきている.機能的に完壁な人工肛門を望むことはできないが,そのマイナス部分を適切な装具を適切に装着する指導等を行うことによつて補つていくことが大切で,これがEnterostomal Therapyである.しかし,いくらEnterostomal Therapyが頑張つても人工肛門に大きな問題があれば十分な効果は発揮されない.合併症の少ない,術後管理の容易な人工肛門がつくられることは人工肛門をもつて内容のある社会復帰をするための必要条件であり,それに適切な術後管理が加わつてはじめて社会復帰が実現することになる.
 もし人工肛門に何らかの合併症があれば,手術と術後管理の両面から検討され解決にあたらなければならない.このような合併症とその対策について述べ,さらにそれらを予防するための基本的な手技についても触れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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