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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻9号

1982年09月発行

REPORT FROM OVERSEAS

米国における超音波診断(その2)—胆道系の手術への応用

著者: 町淳二1

所属機関: 1イリノイ大学医学部外科学教室 2ウェストサイドV. A. 病院外科

ページ範囲:P.1365 - P.1371

文献概要

はじめに
 外科医は,手術中に,病変の存在部位やその大きさ,あるいは,周囲組織との関係などの手術を進める上で必要な情報を得るために,tissue dissectionやmanipulation(術中の触診)などによつて,術野内にて病変などのexploration(探索)を施行する.このことは,手術時間を延長するとともに,時には,手術の合併症や死亡率などのriskを高めることにもなる.しかし,術式を決定するためとか,病変へいかにアプローチするか確定するためのより充分な情報を得るためには,この探索は,術中にはさけられない操作でもある.
 これに対し,胆道系の手術においては,これらの術中に必要な情報を得ることを目的とした画像診断法を併用することによつて,不必要な術中の探索,操作を減らすことができる.胆道系の手術で,現在,最も広く使用されている画像診断法としては,主に総胆管結石の有無を検査するために行われている術中の胆道造影法がある.この方法は,胆石の手術で,総胆管の探索(common bile duct exploration=CBD exploration)の必要性を決めるために不可欠の検査となつている.術中にこの胆道造影による検査を行うことによつて,総胆管のnegative explorationの率は低下して来てはいるが1),この率が,いぜんとして高いという報告もある2).また,総胆管へのcannulationや総胆管の穿刺による合併症,および,造影剤やレントゲン照射による副作用も予測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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