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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻9号

1982年09月発行

臨床研究

胸骨縦切開en bloc法による拡大乳切について

著者: 野口昌邦1 佐々間寛1 松葉明1 木下元1 三輪晃一1 宮崎逸夫1

所属機関: 1金沢大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1407 - P.1412

文献概要

はじめに
 近年,乳癌の手術は早期乳癌の増加と相俟つて国際的にPateyの非定型乳切が広く行われるなど縮小化傾向にあることは周知の如くである1).しかし縮小手術は早期乳癌に限られるべきである.乳癌が乳腺と領域リンパ節に留まる段階ではまだ局所病であり手術的に治癒しうると考える以上,遠隔転移のない進行乳癌にはやはり根治性の高い手術が選ばれるべきであると考えられる.現在,拡大乳切は定型乳切と比較して成績の向上が望めないとする意見が強いが1),依然,拡大乳切の有効性を認める意見も少なくない2,3).更に従来の手術と異なる新しい拡大乳切により成績の向上を計る余地は現在もなお残されていると考えられる.
 私どもは胸骨傍リンパ系の完全郭清を計る目的で胸骨縦切開en bloc法による拡大乳切を開発し施行している4-5).本手術は乳癌手術の根治性を高める上で有用であり,しかも安全な手術と考えられるので,その手術と施行症例について紹介し,若干の考察を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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