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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻9号

1982年09月発行

文献概要

臨床報告

早期十二指腸癌と十二指腸カルチノイドの併存した1例

著者: 関雅博1 津田基晴1 龍村俊樹1 山本恵一1 古屋正人2 古屋忠2

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部第1外科 2古屋外科病院

ページ範囲:P.1419 - P.1423

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はじめに
 原発性十二指腸癌はかなり稀な疾患であり,発生母地上,膵管あるいは胆管由来のものとの区別が明確でない,いわゆる乳頭部癌を除外するとさらに報告は少なくなる.また,その発生頻度,部位,症状発現時期などからみて,従来早期発見は困難なことが多く,進行した症例の予後はとくに不良であるといわれる.しかし,その病理形態により治癒の可能性は異なり,さらに最近,内視鏡診断技術の向上普及とともに早期癌の報告例もみられるようになつた.
 われわれはポリープ状に発育し,かなり巨大ではあるが深達性に乏しく,組織学的にも粘膜内にとどまる乳頭上部十二指腸癌を経験した.この症例はさらに十二指腸球部にカルチノイド腫瘍をも併存しており,この両者の併存は極めて稀で,いまだ本邦での報告はみられない様である.本文ではこの症例の提示に若干の考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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