icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻1号

1983年01月発行

臨床研究

橋本病と悪性腫瘍の合併例の検討—その診断の難しさについて

著者: 原田種一1 谷口達吉1 中西由理1 平塚正弘1 高橋達雄1 大向良和1 妹尾亘明1 大塚信昭2

所属機関: 1川崎医科大学内分泌外科 2川崎医科大学核医学教室

ページ範囲:P.125 - P.130

文献概要

はじめに
 過去において,すなわち1950年代の後半に,橋本病が代表的な自己免疫疾患として脚光を浴びる以前では,橋本病(本論文では狭義のびまん性甲状腺炎を意味する)に対する認識が薄く,甲状腺癌との鑑別が難しかつたため,手術が強行されていた時期があつた.
 しかし橋本病に対して切除術を行うと,術後甲状腺機能低下症に陥ることが多く,最近では診断技術の進歩に伴い,組織診断のための試験切除以外は手術の対象とはされていない.ただ,悪性甲状腺腫が合併していると考えられる症例は例外である.橋本病に腫瘍が合併している場合,腫瘍の存在が橋本病によつてマスクされているため,その診断が難しく,手術を行うべきか否か判断に迷う場合が多い.そこでわれわれの経験例を検討し,腫瘍合併例の診断の困難性について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら