文献詳細
臨床研究
甲状腺分化癌術後の甲状腺ホルモン内服によるTSH抑制療法について
著者: 森秀樹1 三村孝2 原田種一3 伊藤国彦2 井出道也1 大井俊孝1 清水一雄1 庄司佑1
所属機関: 1日本医科大学第2外科 2伊藤病院 3川崎医科大学内分泌外科
ページ範囲:P.131 - P.134
文献概要
甲状腺分化癌のなかには,その増殖がThyroid Stimurating Hormone(以下TSH)に依存するものがあり,現在術後再発防止のため甲状腺ホルモン内服によるTSH抑制療法が広く行われている.TSH抑制療法は,1937年Dunhill1)により始めてその有効性が報告されてから,数多くの報告がみられる2-4).われわれも甲状腺分化癌術後の症例には,原則として再発防止の目的で甲状腺ホルモン内服によるTSH抑制療法を行つている.しかし,その効果については未だ一定の見解は得られていない.
そこで今回,術後10年から15年を経過した症例を対象として,生存率および再発率の面から,TSH抑制療法の効果を検討した.
掲載誌情報