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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻11号

1983年11月発行

特集 胃・十二指腸潰瘍

手術適応と術式の選択—高位胃潰瘍

著者: 榊原幸雄1 府川光之1 安藤道夫1

所属機関: 1愛媛県立中央病院消化器外科

ページ範囲:P.1587 - P.1592

文献概要

はじめに
 高位胃潰瘍の定義については一定した見解が得られていない現状にある.外科領域においては,一般に幽門側広範囲胃切除術の切除線(大井の切除線)より噴門側に位置する潰瘍1)や胃癌取扱い規約のC領域または術式からみて胃潰瘍の外科的侵襲にあたり通常の胃部分切除術では不適当な高位の胃潰瘍2)などとされている.著者らは,従来よりDemel線3)(胃半切除線)より上部に位置する潰瘍を一応高位胃潰瘍として取り扱つてきた.
 消化性潰瘍の手術適応については,いわゆる難治性潰瘍のみならず,出血,穿孔,通過障害などの合併症を伴う症例でも,その程度や経過により必ずしも全てが絶対的適応になるわけでもなく客観的な一定の基準を設定することは非常に難かしい.しかし,高位胃潰瘍ではいくつかの病態生理学的な特殊性もみられるので,これらを考慮しつつ手術時期を逸しないように注意すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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