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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻11号

1983年11月発行

特集 胃・十二指腸潰瘍

手術適応と術式の選択—Zollinger-Ellison症候群

著者: 杉山貢1 土屋周二1

所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1599 - P.1605

文献概要

はじめに
 近年,radioimmunoassayの進歩と普及により,各種の消化管ホルモン,なかでもgastrinの血中濃度が容易に測定出来るようになり,Zollinger-Ellison症候群(以下Z-E症候群)の診断に有力な手段となつた.今回,本症候群の本邦報告例の集計結果と自験例より病態・診断・治療方針(手術適応と外科療法)について述べる.
 1955年,Zollinger & Ellison1)は膵島性非β細胞腫を合併した2例(女性)の難治性消化性潰瘍を報告し,以下の特徴的所見をあげている.①大量の胃液(酸)分泌がある.②通常の薬物および外科治療では潰瘍の再発をみる.③膵島性非β細胞腫が存在する.またその発生と病態を"ulcerogenic humoral factor of pancreatic islet cell origin"に起因すると述べている.EisemanとMaynard2)(1956年)はこれらの3徴候を有するものをZollinger-Ellison症候群と命名した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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