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特集 胃・十二指腸潰瘍 十二指腸潰瘍に対する迷切術の遠隔成績
選択的近位迷走神経切離術(SPV)
著者: 青木照明1 秋元博1 長尾房大1 羽生信義1 間中正章1 高山澄夫1 高野哲1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2外科
ページ範囲:P.1607 - P.1610
文献購入ページに移動選択的近位迷走神経切離術(以下,選近迷切術)は,1957年,Griffth-Harkins1)によるpartial gastric vagotomyの実験的研究に端を発し,1964年,Holle-Hart2)によるSelective Proximal Vagotomy(with pyloroplasty)として臨床応用が試みられた,一方,1970年,Amdrup-Jensen,Johnston-Wilkinsonらによる,parietal cell vagotomyあるいはhighly selective vagotomyがwithout pyloroplastyのかたちで臨床応用が報告された.わが国では,1970年,田北によるwith minimal distal antrectomyの報告が最初である.爾来,十有余年,内外の消化器外科医の関心を集め種々検討3,4)され今日に至つているが,技術的にもほぼ確立し,術後愁訴,再発率等を含め,長期遠隔成績が検討されるべき時期にいたつている.
われわれの教室では1971年よりat randomに本術式を幽門狭窄のある症例にはwith pyloroplastyとして,狭窄のないと考えられた症例にはwithout pyloroplastyとして十二指腸潰瘍症に施行してきているので,そのうち,5年以上を経過した症例の遠隔成績を報告する.
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