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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻11号

1983年11月発行

画像診断 What sign?

"tit","shoulder" etc.

著者: 佐藤豊1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科

ページ範囲:P.1623 - P.1623

文献概要

 肥厚性幽門狭窄は,通常2〜8週の新生児に噴水状嘔吐,吐乳を主訴として発症する疾患である.肥厚した幽門筋を"オリーブ"腫瘤として触れ,腹壁に蠕動を認める症例は臨床的に診断可能であるが,発症年齢,臨床所見などが非典型的な症例では画像診断が有用な診断情報を与える.腹部単純像では胃の拡張を認める.上部消化管造影所見は特徴的であり,胃の蠕動亢進にもかかわらず造影剤の幽門通過遅延がみられ,肥厚した幽門筋により幽門の狭窄,延長がみられ,さらに胃幽門前庭部,十二指腸球部への圧排による変型を認める.すなわち幽門管の狭窄,延長は細い糸状の"string"signとして,また幽門管が肥厚した幽門筋によつて二分された場合には電車の線路状の"tramtrack"signがみられ,幽門管の入口は鳥の嘴状の"beak"signが認められる.肥厚した幽門筋の圧排により幽門前庭部には丸味をおびた"pyloric shoulder"がみられ,その口側に蠕動が到達することにより"pyloric tit"が現われる.十二指腸球部底部の圧排は,"きのこ"状あるいは"傘"状(mashroom-likeまたはumbrella-like)の変型がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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