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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻12号

1983年12月発行

特集 プラスマフェレーシス

治療への応用—肝疾患

著者: 山崎善弥1 飯塚一郎1 和田達雄1 井上昇2 与芝眞2 藤原研司2

所属機関: 1東京大学医学部第2外科 2東京大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1719 - P.1725

文献概要

はじめに
 血漿交換は急性肝不全の治療として,Leopore1)(1967),Sabin2)(1968)により臨床応用が試みられた.交換輸血に比較すると,全血の代りに凍結新鮮血漿が用いられるので,①補充液の入手が簡単である.②アンモニアの上昇がない.③赤血球不適合や血小板抗体など血液学的問題が少ない.④ショックが起こりにくい等の点で優れている.これが当時普及しなかつたのは,その操作が面倒で困難であつたからである.
 最近,膜分離方式による血漿交換法3)が開発され,従来の遠心方法に比し,簡便で操作が容易で効果的に血漿交換ができるようになつたので,広く何処でも施行されるようになつて来ている.血漿交換は従来の膜や吸着材を用いる血液浄化法では除去できない蛋白結合毒物,高分子病因物質の除去が可能で,同時に肝障害で不足する凝固因子などの補給が出来るので,現在のところ,最も期待できる実用的な肝補助法と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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