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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻12号

1983年12月発行

画像診断 What sign?

"corkscrew" appearance

著者: 佐藤豊1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科

ページ範囲:P.1767 - P.1767

文献概要

 胎生期に完了すべき中腸の270°反時計回りの回転が起こらないか,途中で停止することにより起こる中腸の回転異常の症例では,腸管膜根部の後腹膜への付着部位の幅が狭いことから,この部分を茎とした腸管の軸捻が起こり易い.中腸軸捻の約80%は新生児期に起こり,胆汁性嘔吐・下血など急性症状で発症し,腸管壊死を伴うものでは腹膜炎,ショックを呈する.腹部単純像では胃および十二指腸の拡張をみるが,嘔吐直後のものでは正常像を呈する場合もある.臨床的に本症を疑つた場合は腹部単純像で典型的な所見がみられない場合にも時を移さず消化管造影が行われるべきである.上部消化管造影では近位十二指腸の拡張がみられ軸捻をおこし狭窄を呈する近位小腸管が螺旋状に描出され,これがコルク栓抜きに類似していることから"corkscrew" appearanceと称される.注腸では病変の直接描出はできないが,回盲部の位置異常がみられ,臨床所見とあわせて診断が下される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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