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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻2号

1983年02月発行

文献概要

カラーグラフ 臨床外科病理シリーズ・2

Barrett食道に合併した多発腺癌

著者: 板橋正幸1 廣田映五1 飯塚紀文2 平嶋登志夫3

所属機関: 1国立がんセンター病理 2国立がんセンター外科 3国立がんセンター内科

ページ範囲:P.176 - P.177

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 Barrett食道とは,粘膜が円柱上皮で覆われた下部食道を意味し,食道潰瘍・狭窄に伴うことが多いとされている.1950年Barrettが最初に記載したが,当時は先天性食道短縮により篏頓した胃粘膜と考えられた.しかし,その後食道自体の粘膜として再認識されている.一方,食道の悪性腫瘍のうちで腺癌は稀であり,国立がんセンター食道悪性腫瘍切除例1,346例中6例に相当する.さらにBarrett食道とそれに合併した腺癌例という報告は,日本では極めて稀である.しかし,欧米では,Barrett食道は,日本以上に高頻度に認められるようで,癌の前駆病変(precancerous condition)として注目されつつある.その意味で本症例は一見の価値があろう.
 症例:71歳,男性,主訴・粘血便

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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