文献詳細
文献概要
特集 脾摘をめぐる話題
脾臓と免疫能
著者: 折田薫三1
所属機関: 1岡山大学医学部第1外科
ページ範囲:P.179 - P.184
文献購入ページに移動はじめに
脾臓の免疫学的な位置づけは必ずしも明らかではない.胸腺や骨髄,リンパ節が,それぞれ中枢性,末梢性リンパ組織としての位置を不動のものにしているのに比べ,中枢性リンパ組織に生じたT,Bリンパ球が分化と移住を続けて成熟した末梢リンパ球となるための単なる里親として脾が考えられ,脾自体の免疫学的特性に関して研究された論文は比較的少ないようにみえる.一外科医の私にとつてはあまりにも大きいテーマであるが,癌免疫外科を志す者へ課せられた命題として,あえて脾臓と免疫能について考えてみたい.
脾臓の免疫学的な位置づけは必ずしも明らかではない.胸腺や骨髄,リンパ節が,それぞれ中枢性,末梢性リンパ組織としての位置を不動のものにしているのに比べ,中枢性リンパ組織に生じたT,Bリンパ球が分化と移住を続けて成熟した末梢リンパ球となるための単なる里親として脾が考えられ,脾自体の免疫学的特性に関して研究された論文は比較的少ないようにみえる.一外科医の私にとつてはあまりにも大きいテーマであるが,癌免疫外科を志す者へ課せられた命題として,あえて脾臓と免疫能について考えてみたい.
掲載誌情報