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臨床研究
先天性胆管拡張症の手術成績
著者: 菅野千治1 岡田恒良1 大森英敏1 平田善久1 小野寺健一1 斉藤和好1 森昌造1
所属機関: 1岩手医科大学第1外科
ページ範囲:P.371 - P.376
文献購入ページに移動先天性胆管拡張症はDouglas1)により1852年に独立疾患として最初に報告された,その後,報告が相次ぎ,1975年にはFlanigan2)が955例を集計報告している.本邦でも,1981年8月に開催された第17回胆道疾患研究会では「成人にみられた先天性総胆管拡張症」が主題の1つとなり,81題で1,203例の症例が発表された.本症は比較的稀な疾患とされているが,本邦に多く,Flanigan2)の955例の報告でも3分の1以上は本邦例であるとしている.
近年,PTCやERCPといつた直接胆道造影法や超音波エコー,CT等の開発,普及により本症に遭遇する機会がさらに増加するものと思われる.一方,本症の治療においては種々の問題点が指摘されている.つまり,本症には,肝内結石3),胆道癌4),膵管胆管合流異常5)を伴う率が高いことなどから,治療に難渋する例も少なくなく,本症の外科的治療法については議論の多いところとなつている.
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