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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻4号

1983年04月発行

特集 癌手術と再建

外陰部悪性腫瘍切除後の再建

著者: 中山凱夫1 添田周吾1 坂井重信1 鍾陽明1 石川悟2

所属機関: 1筑波大学臨床医学系形成外科 2筑波大学臨床医学系泌尿器科

ページ範囲:P.489 - P.495

文献概要

はじめに
 腫瘍切除後の欠損創に対する修復方法としては,遊離植皮と有茎皮弁が存在する.これらのうち植皮は外陰部周囲でも容易で広範囲にも使用できるなどの利点がある.一方,以前には大腿部や鼠径部郭清後の腹壁からは十分な大きさや長さ,回転半径を持つた皮弁の挙上は不可能とされていた.ところが,Gerらによる筋皮弁の登揚以後はまさに一変したといつてよい3).血行が悪く皮弁には不向きとされていた大腿部が筋皮弁の一大donorになったのである1,9).以前は修復に困難を感じたような例でも,皮弁で容易にかつ確実に行えるようになつてきた.このことが進展した悪性腫瘍の切除を以前よりもやりやすくしつつあると言つても良い.われわれの症例はわずかではあるが,その経験から2種の筋皮弁(大腿筋膜張筋筋皮弁,薄筋筋皮弁)と植皮の3つを使い分ければ,外陰部悪性腫瘍切除後の再建は9分9厘可能と思われた.以下これらの手技の要点と選択について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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