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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻4号

1983年04月発行

画像診断 What's sign?

腹腔内液体貯留—Hellmer's sign

著者: 佐藤豊1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科

ページ範囲:P.507 - P.507

文献概要

 腹腔に大量の遊離液体が貯留した場合,Douglas窩,paracolic gutter,あるいはMorison窩を満たした腹水あるいは血液は,右の横隔膜下腔に充満し,肝を内側に偏位させる(図1).
 X線像の上では,右側の肋骨弓と内側に偏位した肝右葉外側沿との間に肝の濃度よりやや透亮性の高い腹腔内の遊離液体の帯を認め,1942年,Hellmerにより腹水の貯留所見として記載された1).この所見を見出すためには,これらの僅かな濃度差を描出する,条件の良い撮影法を行うことが必要である.またこの所見は腹水貯留症例や腹腔内出血症例の腹部血管造影の際,肝実質が濃染することからより容易に観察できる場合がある(図2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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