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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻4号

1983年04月発行

外科医の工夫

再手術での随意排便回腸瘻(continent ileostomy)の作成

著者: 加藤知行1 加藤王千1 山田栄吉1

所属機関: 1愛知県がんセンター外科第3部

ページ範囲:P.517 - P.521

文献概要

はじめに
 大腸腺腫症や潰瘍性大腸炎などにおける大腸全摘術後に行われてきたBrook法やTurnbull法による回腸瘻に代つて,近年Kock1)のcontinent ileostomyが行われる様になつてきた.回腸から流出する便は結腸の人工肛門から出る便と異なつてその始末にやつかいである事,大腸全摘を受けるような患者は大腸腺腫症にしろ潰瘍性大腸炎にしろ若い年齢層の者が多く,術後長期間回腸瘻と共に生活していかなくてはならない事を考えると,大腸全摘術を受けた患者が排便について随意性を得る事は大変重要な事である.continent ileostomyにはいろいろな改良術式が発表されており,われわれはcontinent ileostomyを随意排便回腸瘻と呼んで,その作成法を既に紹介した2).随意排便回腸瘻の作成は,初回手術時が最も腸管の条件が良い状態で行えるが,欧米の報告では作成したものの半数は従来の回腸瘻からの変換であることからも推測できるように,今後本邦でも過去に作られたBrook法の回腸瘻を作りかえたり,初回手術ではpoor riskのために作れなかつた患者が,大腸全摘後に健康をとりもどしてから新たに,この随意排便回腸瘻を作るような揚合が多くなると思われる.
 今回,われわれが再手術で随意排便回腸瘻を作成した症例を中心にして,再手術例での作成の要点について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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