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特集 緊急減黄術—テクニックとそのコツ
超音波経皮経肝胆嚢ドレナージ法—主に手技について
著者: 渡辺五朗1 小野由雅1 鶴丸昌彦1 秋山洋1 万代恭嗣2 伊藤徹2 幕内雅敏3
所属機関: 1虎の門病院消化器外科 2東京大学医学部第2外科 3国立がんセンター外科
ページ範囲:P.595 - P.599
文献購入ページに移動経皮的な胆嚢穿刺術は1921年Burckhardtらの報告1)に始まるが,その後の経静脈的胆?造影法の出現により普及するには及ばず,1934年Kalkの腹腔鏡下の経皮的胆嚢穿刺が試みられたのみであつた2).本邦では唐木3),福島ら4)により経皮的胆嚢穿刺及び造影が検討されていたが,手技が不安定である点と,細い針を用いているにもかかわらず閉塞性黄疸のように胆道内圧の上昇がある際には胆汁漏出等の重篤な合併症の危険は避けられず,さらに事前に適応の可否を決定する事自体が容易ではない.従つてドレナージを目的とするには手技として不十分と言わざるを得ない.
一方超音波の出現によつて胆道系の診断は飛躍的な進歩をとげ,胆嚢の腫大は容易に診断されるようになつた.超音波の臨床応用が種々試みられるなかで,経皮的胆嚢ドレナージ術が安全で確実なものとして顧みられるに至つた5,6).われわれも1977年以来超音波誘導による経皮的胆管・胆嚢穿刺術を開発し,有効性につき報告して来た7,8).経皮的胆嚢ドレナージ法(超音波PTGBD法—per—cutaneous transhepatic gallbladder drainage)については,初期の例で超音波PTBD法と同様の手技すなわちガイドワイヤーを用いる法を行つていたが,胆嚢における相違点を考慮して改良を加えて来た9).
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