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特集 吻合法—目でみるポイントとコツ 消化管吻合法
胃切除術—胃上部切除術における食道胃吻合法
著者: 山本貞博1
所属機関: 1愛知医科大学第1外科
ページ範囲:P.791 - P.793
文献購入ページに移動 胃上部切除術の目的は,出血の原因になる食道胃静脈瘤の完全な消滅であつて,構成はまず静脈瘤に向う供血系路遮断のための脾摘除(短胃静脈系),胃上部周囲血行郭清(左胃静脈系,無名静脈群)と,次に静脈瘤の局所処理のための下部食道胃上部の区域切除と再建を基本とする.付随的に幽門形成を加えるが,奇静脈半奇静脈に排出する下流側血行は温存する.
胃上部切除術における下部食道胃上部切除後の再建は,静脈瘤直達手術のすべての術式に共通した矛盾点,すなわち,縫合不全を生じない吻合法で,しかも,術後静脈瘤再発にはたらく血行再建を妨げるという両条件に対応できなければならない.さらに,肝障害,脾機能亢進があり,高い門脈圧に支えられた側副血行路が海綿状とも言う程に発達し,浮腫をともなつて,もろい組織となつた局所に的確に対処しなければならない.
胃上部切除術における下部食道胃上部切除後の再建は,静脈瘤直達手術のすべての術式に共通した矛盾点,すなわち,縫合不全を生じない吻合法で,しかも,術後静脈瘤再発にはたらく血行再建を妨げるという両条件に対応できなければならない.さらに,肝障害,脾機能亢進があり,高い門脈圧に支えられた側副血行路が海綿状とも言う程に発達し,浮腫をともなつて,もろい組織となつた局所に的確に対処しなければならない.
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