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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻6号

1983年06月発行

特集 吻合法—目でみるポイントとコツ

消化管吻合法

膵管吻合術—膵管空腸吻合

著者: 佐藤寿雄1

所属機関: 1東北大学医学部第1外科

ページ範囲:P.894 - P.896

文献概要

 膵管と空腸との吻合術は,膵頭十二指腸切除術後の消化管再建術の一つとしての膵管空腸吻合術のほかに,慢性膵炎に対する膵管減圧手術としてのものがある.慢性膵炎に対するものとしては,膵管空腸側々吻合術と膵尾側膵管空腸吻合術があるが,今回は紙数の関係上,膵管空腸側々吻合術について述べる.Puestowら(1958)の原法は,膵尾部を切除して膵体部の一部を空腸内に挿入し,頭側の膵管と空腸との側々吻合を行う方法であつたが,その後多くの人によつて改変が加えられながら今日の術式に至つている.この術式は,膵管のほぼ全長にわたつて膵管を縦に切開し,結石がある場合にはできるだけこれを摘出したのち,膵管と空腸との側々吻合を行うものである.通常side-to-side Pancreaticojejunostomyといわれるが,lateral pancreaticojejunostomyあるいはlongitudinal pancreaticojejunostomyともいわれる.この術式の適応は,膵病変がび漫性にあり,膵管の狭窄が多発性にあつて,膵管が不規則に拡張している場合である.膵臓が萎縮硬化し,膵管の拡張がない場合には適応とはならない.以下,著者らの行つている方法を中心に,この術式について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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