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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻7号

1983年07月発行

文献概要

特集 鼠径・大腿ヘルニアの話題 小児鼠径ヘルニア

滑脱ヘルニアの処置

著者: 今泉了彦1 平田彰業1 野沢博正1

所属機関: 1埼玉県立小児医療センター外科

ページ範囲:P.993 - P.995

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はじめに
 鼠径ヘルニアの場合,ヘルニア内容となる臓器(盲腸,結腸,膀胱,子宮および付属器など)の腹膜被覆のない部分が脱出し,ヘルニア嚢の一部を形成するものを滑脱型ヘルニアと呼んでいる.小児にも滑脱型ヘルニアはあるが,その大部分が卵管,卵巣の滑脱であり,全女児鼠径ヘルニアの20〜30%程度にあるとされている1).稀れに盲腸,虫垂が滑脱することもある.
 小児の鼠径ヘルニアは,腹膜鞘状突起の閉鎖不全が原因であり,外科治療はヘルニア嚢の高位結紮が標準術式とされている.しかし滑脱型ヘルニアでは,単純な高位結紮が困難であることから治療に対する考えは必ずしも統一されておらず,手技においてもさまざまな工夫がなされている.問題点を整理しながら私どもの行つている術式を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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