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文献詳細

雑誌文献

臨床外科38巻8号

1983年08月発行

ここが知りたい 臨床医のためのワンポイントレッスン

中心静脈栄養における脂溶性ビタミンの投与について

著者: 小越章平1

所属機関: 1高知医大第2外科

ページ範囲:P.1168 - P.1168

文献概要

 A;中心静脈栄養はいうまでもなく完全な静脈栄養法であり,すべての栄養成分を経静脈的に補う意味からもビタミンの補給は必要不可欠のものである.表のように米国でも所要量が発表されているが,日本でも米国でも経口的なビタミン摂取からの必要量を基準として出したものであり,静脈栄養時の必要量については高カロリー輸液の創始者Dudrickが出したデータをもとにMVIが市販された.これは表の中ほどにあるごとく水溶性が6種,脂溶性が3種である.その後,American Medical Association(AMA)がMVIの処方を不適当なものとして,いわゆるAMAの勧告値を出したのが表のAMA処方であり,これでみるとMVIのとくにAとDが少なくなつているのが目立つ.AMAの勧告を受けMVI-13というのが出されたが,わが国では現在治療中である(MVIの旧処方のものはエスエス製薬から発売されている).わが国では大阪大グループがAMA処方に準じたPV 123(扶桑薬品,間もなく発売),奥田や著者らが中心となつて決めたNK041(日本化薬,現在治験中)がある.ともに水溶性9種,脂溶性4種をカバーしたものである.これらは原則的に水溶性はやや多めに,脂溶性は蓄積効果があるためにやや少なめに処方されている.しかし,実際に両方を高カロリー輸液患者に使用してみたが,脂溶性ビタミンの量はもう少し増量してもよいようなデータが得られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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