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臨床研究
開心術における血小板輸血の臨床的検討—自己血小板輸血の試み
著者: 青木啓一1 日月裕司1 許俊鋭2 井野隆史1 鰐渕康彦1 古田昭一1 大谷五良1
所属機関: 1三井記念病院外科 2埼玉医科大学胸部外科
ページ範囲:P.1353 - P.1356
文献購入ページに移動近年,心臓外科手術成績の向上は,体外循環法の進歩に負う所が大であるが,体外循環後の血液凝固不全による術後の大量出血は,患者の予後を左右する重篤な合併症の一つである.特に,体外循環後の血小板数の減少は,術後出血のひとつの要因となつていると考えられる.
従来,われわれの施設では,術後止血の目的で,体外循環終了時に当日採血した新鮮血(いわゆる"生血")輸血を行つてきたが,供血者が多数必要であり,術前検査,当日採血などの手間がかかり,繁雑であつた.1980年より供血者を少なくする目的で,濃縮血小板血(Pla—telet Concentrate=PC)を体外循環終了時に輸血することを試みてきた.また,患者より,濃縮血小板血を採血し,体外循環終了後に輸血する自己濃縮血小板輸血も同時に試みてきたので,その臨床成績を比較検討するとともに,その問題点について論じる.
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