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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻1号

1984年01月発行

文献概要

文献抄録

レイノー症状患者の血小板中α2—アドレナリン受容体活性

著者: 折井正博1

所属機関: 1慶応大学医学部外科

ページ範囲:P.69 - P.69

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 レイノー症候群は病理生理学的に,異なる2つのグループ,すなわち攣縮性と閉塞性とに分けられるということは,多くの報告において指摘されている.攣縮性レイノー症候群の病理生理学的基礎はまだ明らかにされていないが,アドレナリン性活性の変化と関連があると考えられる.Keenanらは対象群,閉塞性および攣縮性レイノー症候群の3群について,血小板中のα2—アドレナリン受容体活性を分析した.
 レイノー症状患者33人中22人は攣縮性,11例は閉塞性であり,全例に寒冷誘発による手指色変化の典型的発作があり,寒冷曝露後の手指温回復遅延を認めている.確認検査として15例で局所冷却後手指血圧を測定し,全例20%以上の圧低下を見た.全例に指のプレチスモグラフィーを施行し,閉塞群ではおおむね異常脈波が得られ,室温での指動脈圧は上腕より25mmHg以上低かつた.圧勾配が10mmHg以下であれば動脈閉塞はないと診断された.閉塞群は大部分(73%)が女性で平均年齢は52歳,これらの全ての患者に合併症があり鞏皮症,粥状硬化症が多かつた.攣縮群22例中86%が女性で平均年齢は43歳とやや若く,15例(68%)には合併疾患がなかつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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