文献詳細
臨床報告
胃軸捻転症を合併した成人右Bochdalek孔ヘルニアの1治験例
著者: 越智祥隆1 本郷三郎1 渡部高昌1 米澤望1 松尾宏1 村尾佳則1 上田豊晴1 増井義弘1
所属機関: 1県立奈良病院外科
ページ範囲:P.139 - P.142
文献概要
Bochdalek孔ヘルニアは,先天性横隔膜ヘルニアの中では最も頻度が高く1),近年の小児外科の進歩と相まつて,その手術成功例の報告も増加し,新生児の先天性疾患の内では比較的多い疾患の一つとなつて来ている.一方,成人の横隔膜ヘルニアは食道裂孔ヘルニアが最も多く,小児期に無症状に経過し,成人になつてから発見されるBochdalek孔ヘルニアは比較的稀である.また,そのほとんどは左横隔膜ヘルニアであり2),右側の報告例は極めて稀と言える.われわれは最近,胃軸捻転症を合併した,成人の右Bochdalek孔ヘルニアの1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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