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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻10号

1984年10月発行

画像診断 What sign?

renal halo

著者: 佐藤豊1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学放射線科

ページ範囲:P.1421 - P.1421

文献概要

 急性膵炎の単純X線所見としては局所性麻痺性イレウスによる心窩部から左上腹部にかけての小腸拡張像(sentinel loop sign),膵頭部腫大と腸管への炎症波及による粘膜肥厚を伴う十二指腸窓の拡大(epsilon sign),横行結腸(特に脾彎曲近傍)のスパスムスにより,肛門側結腸のガスが消失するleft colon cut-off signなどが挙げられ,壊死性膵炎では後腹膜に泡状のガスの発生をみることもある.
 また左腎周囲に帯状の透亮帯がみられる場合があり,膵炎における"renal halo"signと称される1).これはGerota筋膜内のperlrenal fatが,内側を腎実質に,外側を膵炎の炎症性浸潤により,X線透下性の低下したanterior pararenal spaceの組織により挾まれることにより透亮帯として認識されるものであり,膵炎の臨床症状を有する症例においてこのsignがみられる時はその炎症が広くanterior pararenal spaceに波及していることを示す所見である(図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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