文献詳細
臨床研究
pm胃癌の予後—sm浸潤からみた術式,術後療法選択の可能性も含めて
著者: 内藤寿則1 友清明1 江里口直文1 西田博之1 徳安敏行1 沢田勉1 渕上量三1 福田義人1 桑原義明1 三好敦生1 久原敏夫1 中山陽城1 吉田晃治1 磯村正1 鍬先清一郎1
所属機関: 1久留米大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1443 - P.1449
文献概要
胃癌の予後を左右する因子について諸家はさまざまな方面から検討を加えているがH(肝転移)因子,P(腹膜播腫)因子のない固有筋層にとどまる胃癌(以下,pm胃癌と略す)は,断端をとり残さず,かつ十分なリンパ節郭清を行つても早期胃癌に比べ予後不良で5年生存率は70%前後に落ちている1).このpm胃癌の予後について諸家は肉眼型,組織型,浸潤様式,リンパ節転移,脈管侵襲等より検討している2,3).これは諸因子別の予後が推測できる事から考えれば症例ごとの手術術式や術後療法選択の上からは不適当といわざるをえない.そこで著者はpm胃癌を粘膜下層(以下smと略す)浸潤の大きさから細分類し,症例ごとの予後について検討し,その術式,術後療法選択の可能性についても追求したので報告する.
掲載誌情報