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臨床研究
連関測度γを指標とした胃癌のリンパ節転移パターンと郭清法の検討
著者: 中島聡総1 高橋知之1 吉田行一1 太田博俊1 大橋一郎1 高木国夫1 久野敬二郎1 梶谷鐶1
所属機関: 1癌研究会附属病院外科
ページ範囲:P.1589 - P.1597
文献購入ページに移動胃癌根治手術におけるリンパ節郭清術式は胃周辺のリンパ節のGRADING(N-number)と郭清程度(R-number)の規定が導入されることにより,概念的にはきわめて整然と施行されるようになつた.今日,早期癌といえども,R2の郭清をすべきである点で大方の意見が一致しているように思われる.こうした定型手術は過去の膨大な経験にもとついてその妥当性が支持されている.しかし,現実にはさらに病期が進行して,R3以上の郭清を必要とする場合や,反対にきわめて早期の状態でR2以下の郭清でよい場合もあろうかとおもわれる.癌の手術も理想論をいえば,癌の進展程度にたいして,過不足のない範囲にとどめるべきであろう.こうした個個の症例に応じて郭清範囲を同定する方法は術前および術中のリンパ節転移の情報が増えることにより,次第に可能になつてくるであろう.
そこでわれわれは転移のない早期癌症例をのぞく治癒手術症例において,リンパ節転移をパターンで認識することを検討した.このことにより血管を温存して徹底した郭清をすることが困難な脾門部(⑩),脾動脈幹部(⑪)リンパ節の郭清適応や,さらに遠位の肝十二指腸間膜内(⑫),膵後部(⑬),腸間膜根部(⑭),傍大動脈(⑯)リンパ節の郭清の適否を判定する上で若干有用な結果を得たので報告する.
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