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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻12号

1984年12月発行

文献概要

特集 大腸切除と機能温存 巻頭言

大腸切除と機能温存

著者: 土屋周二1

所属機関: 1横浜市大医学部第2外科

ページ範囲:P.1664 - P.1665

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 大腸切除は良性・悪性の多くの大腸疾患に行われるので,切除の部位・範囲によつては少なからぬ機能障害を招くことがある.これは疾患の性質上止むを得ないこととして一般に容認されており,特に悪性疾患の根治手術では広範な切除・郭清により根治手術の成績を向上させることに主眼がおかれているので,機能障害の問題はいく分あと廻しになつていたと思われる.しかし外科治療にあたつては治療効果を下げない範囲でなるべく術後障害を少なくするようにしなければならないのが原則であり,大腸切除についても,あらためてこの点を重視して考えて行く気運が高まつている.
 この特集でとりあげられているテーマは,大腸切除と機能温存についてである.温存とは大切に保存しておくという意味であるが,大腸の切除が行われる場合,全く機能障害がないように「機能」だけをわきによけて切除することは無理であろう.ここでいう「機能温存」とはどこまで術後成績を下げずに機能障害が防げるか,または機能障害を最少限にとどめることができるかという観点に立つた比較的のものである.そしてこの特集では各専門家によつてこのような目的に沿う手術の適応や手技が開陳されているのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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