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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻12号

1984年12月発行

文献概要

特集 大腸切除と機能温存

回腸肛門吻合術の外科

著者: 宇都宮譲二1 松本正道1 太田正資1

所属機関: 1兵庫医科大学第2外科

ページ範囲:P.1699 - P.1710

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はじめに
 大腸の粘膜,粘膜下層を完全または,ほぼ完全に取り除き,かつ自然肛門機能を温存しようとする手術は,全結腸切除,直腸粘膜切除(抜去),回腸肛門吻合術(以下回肛吻合術)total colectomy,mucosal proctectomy and ileoanal anastomosis(ileoanostomy;anal ileostomy)と呼ばれる.
 大腸粘膜の完全な切除によりはじめてその治療の目的を達しうる主な疾患は潰瘍性大腸炎(UC)と大腸腺腫症(AC)がある.従来,これら疾患に対する治療法としては直腸温存術式(いわゆる回直吻合術)が一般に行われて来た.しかし本法の遠隔成績は決して満足すべきものでないことがあきらかとなつて来た.大腸腺腫症に対する回直吻合術(Lockhart-Mummery法)後,直腸癌の発生は年齢と共に高くなり,長期的follow upは一般のクリニックでは不可能といつてよい1).Parksら3)も結腸切除後患者の残存直腸の生涯にわたるケアが難しいことを認めている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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