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文献詳細

雑誌文献

臨床外科39巻2号

1984年02月発行

文献概要

臨床報告

食道に原発したleiomyoblastomaの1例

著者: 膳所憲二1 川崎雄三1 末永博1 田辺元1 吉中平次1 福元俊孝1 松野正宏1 丸田憲三1 吉井紘興1 加治佐隆1 西満正1 田中貞夫2

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1外科 2鹿児島大学医学部第2病理

ページ範囲:P.265 - P.268

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はじめに
 1960年Martin1)らが核周囲に空胞(透明帯)を有する特異な形態を示す胃腫瘍をmyoid tumorとして初めて記載した.ついで1962年にStout2)は,平滑筋腫,平滑筋肉腫,脂肪肉腫,glomus tumor,hemangioperi—cytomaなど多くの名称で報告された胃筋原性腫瘍69例を検討し,その細胞形態,悪性度などより,それら一群の腫瘍を"bizzare leiomyoblastoma"と呼ぶことを提唱した.本腫瘍の最大の特徴は,光顕像で比較的大型の円形腫瘍細胞がびまん性に増殖し,核周囲に空胞(透明帯)を有することである.本邦においても胃原発のものはわれわれの集計した限りでは105例ある.しかし食道に原発したものは極めて稀で,自験例を含めて本邦で2例,欧米で5例をみるにすぎない.今回われわれは虫垂炎術後の腹壁膿瘍の治療中に食道・胃透視を施行し,偶然に発見しえた本腫瘍を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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