文献詳細
文献概要
特集 外科感染症と免疫
Splenectomyにおける免疫不全と感染
著者: 前川和彦1
所属機関: 1北里大学病院救命救急センター/外科
ページ範囲:P.337 - P.340
文献購入ページに移動はじめに
損傷脾,病的脾を摘除することは,胃切除術や虫垂切除術ほどに頻度の高いものではないにしても,きわめて日常的に行われている手術の一つである.従来,脾臓はわれわれ外科医の眼には,生命維持に直接不可欠でなく,摘除しても脱落症状を伴うこともない腹腔内の一実質臓器として映り,多くの場合,脾臓以外の臓器の疾患や全身性疾患の治療の一環として比較的安易に摘除されてきた.
近年,免疫学を基礎に,腫瘍学や臓器移植学,さらには感染症学との接点において,脾臓の役割が見なおされてきている.本稿ではこの"日常的"な脾臓摘除術のもたらす免疫学的な影響と感染性合併症とのつながりについて略述する.
損傷脾,病的脾を摘除することは,胃切除術や虫垂切除術ほどに頻度の高いものではないにしても,きわめて日常的に行われている手術の一つである.従来,脾臓はわれわれ外科医の眼には,生命維持に直接不可欠でなく,摘除しても脱落症状を伴うこともない腹腔内の一実質臓器として映り,多くの場合,脾臓以外の臓器の疾患や全身性疾患の治療の一環として比較的安易に摘除されてきた.
近年,免疫学を基礎に,腫瘍学や臓器移植学,さらには感染症学との接点において,脾臓の役割が見なおされてきている.本稿ではこの"日常的"な脾臓摘除術のもたらす免疫学的な影響と感染性合併症とのつながりについて略述する.
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