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臨床報告
術後に発生した非閉塞性腸管梗塞の2例
著者: 望月泉1 西平哲郎1 佐々木久雄1 前山俊秀1 大熊恒郎1 佐藤吉明1 葛西森夫1 横山安邦2
所属機関: 1東北大学医学部第2外科 2公立相馬病院外科
ページ範囲:P.423 - P.426
文献購入ページに移動非閉塞性腸管梗塞nonocculsive mesenteric infarctionは,1958年Ende1)により最初に記載されたが,腸間膜動静脈が血栓・塞栓あるいは血管炎などにより器質的に閉塞するためでなく,機能的閉塞のために腸管が阻血さらには壊死におちいる重篤な疾患である.急性腸間膜血管閉塞症の12%から50%をこの非閉塞性腸管梗塞が占めると言われているが,病態生理学的には心拍出量の低下,低血圧,循環血液量の減少などで生ずる腸間膜血管攣縮と考えられている2).
著者らは最近,食道・胃重複癌例と,腹部大動脈瘤例の2例の術後に発生したnonocculsive mesenteric in—farctionを経験し,2例ともに緊急大量腸切除術を行い,うち1例を救命しえたので報告し,本症の診断治療についても文献的考察をあわせ述べる.
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